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NEC Univerge IX2015 PPPoEによるインターネット接続設定例 [概要]

IX2015でつなぐ、PPPoEによるインターネット接続設定例

NECのVPNルータ、IX2015はローカルルータとしても、インターネット接続用ルータとしても十分安定して使える業務用ルータです。
よくヤマハのRTX1000やRTX1100などと比較されることが多いですが、一般的な評価では、RTX1000やRTX1100よりもVPNスループットが早いという特徴があります。




最初にブロードバンドルータとして、必要な機能を定義します。

・PPPoEを使って、ADSLやBフレッツ回線経由でインターネット接続する
・プライベートLAN側では、DHCPサーバでIPアドレスを自動割り当てする
・パケットフィルタはとりあえず使わない

では、これらの設定を行うための下準備をしましょう。


用意するもの

IX2015の設定を行ううえで、まず最初に必要になるのはシリアルケーブルです。
9ピンのメスーRJ45のクロスケーブルを用意します。このケーブルは、Ciscoルータの設定用コンソールケーブルと同じものです。
(WindowsXPのシリアルポートが装備されたPCを使うことを前提としています。)

次にターミナルソフトを入手します。
TeraTermPro(テラタームプロ)が使いやすくてよいと思います。
「窓の杜」などから無料でダウンロードできます。
http://www.forest.impress.co.jp/lib/inet/servernt/remote/utf8teraterm.html

インストールが終わったら、シリアルポート経由でIX2015に接続します。
接続の際の設定は、ボーレート 9600、データ 8ビット、パリティ なし、ストップビット 1ビット、フロー制御 なし、に設定します。

TeraTermProを起動し、シリアルポートの設定を完了し、PCとIX2015をシリアルケーブルで接続したら、IX2015の電源を入れてみましょう。

ここまでの作業に問題が無ければ次のようなメッセージが表示されます。

NEC Diagnostic Software
Copyright (c) 2001-2008 NEC Infrontia All Rights Reserved.

%DIAG-INFO: Starting System POST(Power On Self Test)

     DRAM TEST 1: Pass
     DRAM TEST 2: Pass
     NVRAM TEST: Pass
      CPU TEST: Pass
      PLD TEST: Pass
  LAN1(FE0/0) TEST: Pass
  LAN2(FE0/1) TEST: Pass
    SECURITY TEST: Pass
   VOLTAGE STATUS: 3.268V Pass
 TEMPERATURE STATUS: +44.0degC Pass

NEC Bootstrap Software
Copyright (c) 2001-2008 NEC Infrontia All Rights Reserved.

%BOOT-INFO: No boot records found, attempting flash load.
%BOOT-INFO: Trying flash load, exec-image [ix2010-ms-8.3.8.ldc].
Loading: ######################################################## [OK]


NEC Diagnostic Software
Copyright (c) 2001-2008 NEC Infrontia All Rights Reserved.

%DIAG-INFO: Starting Interface Unit POST(Power On Self Test)

%DIAG-INFO: Interface unit is 4FESW-BRI
HUB(SW)1-4 TEST: Pass
BRI TEST: Pass

Starting at 0x20000

Configuring router subsystems (before IDB proc): done.
Constructing IDB(Interface Database): done.
Configuring router subsystems (after IDB proc): done.
Initializing router subsystems: done.
Starting router subsystems: done.

All router subsystems coming up.




NEC Portable Internetwork Core Operating System Software
Copyright Notices:
Copyright (c) 2001-2008 NEC Infrontia All Rights Reserved.
Copyright (c) 1985-1998 OpenROUTE Networks, Inc.
Copyright (c) 1984-1987, 1989 J. Noel Chiappa.
Router#

このメッセージが表示されれば、すぐにでも設定作業に入れます。


作業の前に覚えておくと便利なこと

設定情報の消去方法

設定作業に入る前に、間違えた設定をすべて消去する方法を覚えておきましょう。
この方法を使えば、ルータの設定情報やパスワード情報をすべてクリアできます。

まず最初に、シリアルケーブルを繋いだ状態で、IX2015の電源を入れます。


NEC Diagnostic Software
Copyright (c) 2001-2008 NEC Infrontia All Rights Reserved.

%DIAG-INFO: Starting System POST(Power On Self Test)

     DRAM TEST 1: Pass
     DRAM TEST 2: Pass
     NVRAM TEST: Pass
      CPU TEST: Pass
      PLD TEST: Pass
  LAN1(FE0/0) TEST: Pass
  LAN2(FE0/1) TEST: Pass
    SECURITY TEST: Pass
   VOLTAGE STATUS: 3.268V Pass
 TEMPERATURE STATUS: +44.0degC Pass

NEC Bootstrap Software
Copyright (c) 2001-2008 NEC Infrontia All Rights Reserved.

%BOOT-INFO: No boot records found, attempting flash load.
%BOOT-INFO: Trying flash load, exec-image [ix2010-ms-8.3.8.ldc].
Loading: ###########  ←←ここでCTRL+Cを押す。

NEC Bootstrap Software, Version 22.2
Copyright (c) 2001-2008 NEC Infrontia All Rights Reserved.
boot> cc ←←ccと打ち込みEnter。

Enter "Y" to clear startup configuration: y ←← yと打ち込みEnter。
% Startup configuration is cleared.

NEC Bootstrap Software, Version 22.2
Copyright (c) 2001-2008 NEC Infrontia All Rights Reserved.
boot> b ←←bと打ち込みEnter。

これで再起動して設定を消去することができます。



通常モードと設定モードを理解する

多くのルータでは、通常の操作モードと設定モードが用意されています。
IX2015でも同様に、この二つのモードが用意されています。

電源を入れて、パスワードを打ち込んでログインした状態が通常モードです。
このモードではルータの設定はできません。
次に、設定モード(コンフィグレーションモード)に移るには、configure コマンドを打ち込みます。(enable-configでも可)
設定モードから通常モードに戻るには、 exit コマンドを打ちます。

設定内容を確認する場合は、設定モードで show running-config と打ち込みます。(show config)

設定した情報を保存する際は、設定モードで write memory と打ち込みます。
これによって、設定情報が不揮発(フラッシュ)メモリ内に保存されます。

IX2015を再起動したい場合は、通常モードで restart と打ち込みます。



プロフィール単位で設定を行う

IX2015では、1つ1つの設定をプロフィール単位に区切り、そのプロフィールに名前をつけて設定します。
たとえば、DHCPサーバという機能を利用する場合、1つの設定にプロフィール名をつけて管理します。
2つのDHCP機能を利用する場合は、2つのプロフィールをつくり、それぞれをプロフィール名で呼び出します。




各デバイス、インタフェース名を理解する

IX2015にはLANポートが3つ(うち1つは、スイッチングハブ内臓)と、ISDNポートが1つ用意されています。
それぞれのポートは以下のような表記になります。

LAN1 = FastEthernet0/0
LAN2 = FastEthernet0/1
LAN3 = FastEthernet1/0(スイッチングハブ内臓)
ISDN = BRI1/0

それぞれのデバイスにIPアドレスを設定する場合、設定名はそれぞれ

FastEthernet0/0.0
FastEthernet0/1.0
FastEthernet1/0.0

というように、「.0」が付きます。このFastEthernet0/0.0というのが基本インタフェース名になります。

また、PPPoEなどの設定をする場合は、FastEthernet0/0などのデバイス上に設定するという意味で、FastEthernet0/0.1というように「.1」を付けて設定します。
このFastEthernet0/0.1というのがサブインタフェース名です。
サブインタフェースは複数設定可能で、最大32個のサブインタフェースを設定できます。

整理すると次のようになります。

FastEthernet0/0 デバイス名
FastEthernet0/0.0 基本インタフェース名
FastEthernet0/0.1 (1から32) サブインタフェース名




PPPoEの設定例


では、IX2015にPPPoEによるインターネット接続の設定をしてみましょう。

設定サンプルは次の条件で設定しています。

接続プロバイダ:OCN
DNSサーバ:221.113.139.250 / 202.234.232.6(OCNのDNSサーバ)
プライベート側LANポート(LAN1 FastEthernet0/0)のIPアドレス 192.168.10.1
DHCPサーバのIP割り当て範囲 192.168.10.101-192.168.10.199
PPPeEに利用するLANポート(LAN2 FastEthernet0/1)
PPPoEアカウント hogehoge@bbb.ocn.ne.jp / hogepassword

IX2015にログインした状態で、以下の設定テキストをコピーペーストすると、そのまま設定が完了するはずです。
必要なところ(アカウント情報など)を編集して、ペーストしてみてください。

-------この行の下から-------
configure

ip route default FastEthernet0/1.1

ip dhcp profile shanai-lan
assignable-range 192.168.10.101 192.168.10.199
default-gateway 192.168.10.1
dns-server 221.113.139.250 202.234.232.6
exit
ip dhcp enable

ppp profile ocn-bflets
authentication myname hogehoge@bbb.ocn.ne.jp
authentication password hogehoge@bbb.ocn.ne.jp hogepassword
exit

interface FastEthernet0/0.0
ip address 192.168.10.1/24
ip dhcp binding shanai-lan
no shutdown
exit

interface FastEthernet0/1.1
encapsulation pppoe
auto-connect
ppp binding ocn-bflets
ip address ipcp
ip napt enable
no shutdown
exit

ip access-list admin_console permit ip src any dest 192.168.10.0/24
ip ufs-cache enable

http-server username admin
http-server ip access-list admin_console
http-server ip enable

write memory

exit
restart
y

-------この行の上まで-------


設定内容の解説


上記の設定の解説は次のとおりです。


configure

 設定モード(コンフィグレーションモード)に入ります。


ip route default FastEthernet0/1.1

 外部へのパケット転送先(デフォルトゲート)は、FastEthernet0/1.1(LAN2)側に設定。


ip dhcp profile shanai-lan
assignable-range 192.168.10.101 192.168.10.199
default-gateway 192.168.10.1
dns-server 221.113.139.250 202.234.232.6
exit
ip dhcp enable

 DHCPサーバの設定をプロフィール化します。
 プロフィール名「shanai-lan」の中に以下の設定をしています。
 各端末PCに設定するゲートウェイアドレスは 192.168.10.1
 各端末PCに設定するDNSサーバアドレスは、221.113.139.250 と 202.234.232.6
 割り当てるIPアドレスの範囲は、192.168.10.101 から 192.168.10.199


ppp profile ocn-bflets
authentication myname hogehoge@bbb.ocn.ne.jp
authentication password hogehoge@bbb.ocn.ne.jp hogepassword
exit

 PPPoEの接続設定をプロフィール化します。
 プロフィール名「ocn-bflets」の中に以下の設定をしています。
 接続用アカウントは、hogehoge@bbb.ocn.ne.jp
 接続用パスワードは、hogepassword


interface FastEthernet0/0.0
ip address 192.168.10.1/24
ip dhcp binding shanai-lan
no shutdown
exit

 FastEthernet0/0.0(LAN1)の設定をしています。
 IPアドレスは、192.168.10.1、サブネットマスクは24ビットです。
 DHCPサーバの機能をLAN1側で利用します。呼び出すDHCPプロフィールは「shanai-lan」


interface FastEthernet0/1.1
encapsulation pppoe
auto-connect
ppp binding ocn-bflets
ip address ipcp
ip napt enable
no shutdown
exit

 FastEthernet1.1(LAN2)の設定をしています。
 PPPoEで利用します。
 PPPoE接続に利用するプロフィールは、「ocn-bflets」です。
 LAN2側のIPアドレスはPPPoEの接続先のプロバイダから割り当てを受けます。
 NAT機能を有効にします。


ip ufs-cache enable

UFSキャッシュ機能を有効化します。

ip access-list admin_console permit ip src any dest 192.168.10.0/24 http-server username admin
http-server ip access-list admin_console
http-server ip enable

Webサーバの機能を有効化します。
Webサーバにアクセスできるホストを、192.168.10.x のセグメントに限定しています。
複数のセグメントからWebサーバにアクセスしたいときは、「ip access-list admin_console permit ip src any dest 192.168.20.0/24」というように、設定行を増やします。

write memory

 設定を保存します。

exit

 設定モードから通常モードに抜けます。


restart
y

ルータを再起動します。


NEC Univerge IX2015はVPN対応の高速なルータなので、PPPoEによるインターネット接続をベースにして、VPN接続や冗長化構成を組むなど、さまざまなネットワーク構築が可能なルータです。

競合するヤマハのRTX1100などに比べて、中古での販売価格も安価なため、本格的な業務用ルータを低コストで導入したい場合に最適です。

文章の内容については、十分確認したうえで掲載したつもりですが、もし、間違いに気づかれた方はご一報いただけると幸いです。[上へ]


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